胡乱な物置

自分のため。感想考察とにかく長文書き散らし

世界で最も美しい名前【影河凌駕誕生日2021】

はじめに

影河凌駕さん、お誕生日おめでとうございます。
年が近いこともあってメンバーの中では一番親近感のある人です。凌駕さんのご健康とこれから益々のご活躍をお祈りしております。

前述のコミカライズ9月号感想でまとまりきらなかった部分を誕生祝の記事としてまとめてみました。個人的な考察……まではいかない、自分なりの解釈も含まれます。

【注意】ここでは「華Doll* 1st season~Flowering~」のネタバレに加え、「フォレスト・ガンプ」「ラブ・ストーリー ある愛の詩」についてのネタバレも含みます。以上の作品をネタバレなしで楽しみたい方はぜひ先にご覧になってください。どれも良い作品なので、もし機会があれば観ていただけると幸いです。

世界で最も美しい名前

今回の記事は影河凌駕について言及する予定だが、凌駕について述べるには天霧智紘と結城眞紘の存在は欠かせないものになるため、両者への言及も多く含まれることを先に断っておく。

凌駕と眞紘のコンビは、主となる考察の種とモチーフが映画となっている。眞紘が――ひいては智紘が映画好きということも関係しているだろう。これまでに明確になっているのは、

この4作品だろうか。(他にもありそうなら教えていただけると助かります。)

今回は特に、フォレスト・ガンプラブ・ストーリーについて書いていきたい。

具体的に言及していく前に、フォレスト・ガンプラブ・ストーリーがなぜ凌駕に一致するのかについてを記載しておこう。

はじめにフォレスト・ガンプから。フォレスト・ガンプの例示を最初に上げたのは眞紘である。

その言葉は以下だ。

Life was like a box of chocolates.You never know what you're gonna get.

「人生はチョコレートの箱のようなもの。 開けてみるまでは何が入っているかわからない」これは華Doll*の作品全体のテーマにも関わっている可能性もある。

So I could fly far. Far far away from here.

youtu.be

この言葉は凌駕ソロ間奏部分のセリフに通じる。加えて「with me」により、共に歩む覚悟を強調していると言えるだろう。父親から性的虐待を受けていたジェニーは、父親からネグレクト……に近い扱いを受けていたと推測される眞紘の境遇と重なる。ここにおけるフォレストは凌駕で、ジェニーは眞紘だ。

Run, Forrest! Run!

フォレストの足かせが外れるところは智紘か眞紘かの断定は難しいが、最初にオッドアイを褒めてくれたという点で言えば智紘のほうがより沿うているかもしれない。

バッバの夢を引き継ぎエビ漁をはじめたフォレストは、智紘の夢を引き継いで眞紘と同じステージに立つと誓った凌駕に重ねてもいいだろうか。

次に「ラブ・ストーリー ある愛の詩」について。これは、メンバーからの具体的言及があったことはない。根拠として上げたいのはChange Your WorldのCメロ、凌駕・眞紘のラップパートだ。

youtu.be

Love means never having to say you're sorry.
(映画ではLove means not ever having to say you're sorry.)

凌駕パートで歌われるこの歌詞は、映画のキャッチコピーにもなっている。よく「愛とは後悔しないこと」と訳されているのが有名だろう。*1

映画内で、このセリフは2度出てくる。はじめは主人公オリバーがヒロインのジェニーと親子関係の修復について喧嘩したあと、ジェニーに対して謝った際ジェニーが発するとき。次にジェニーが白血病で死亡したあと、葬式の席で父親と再会しオリバーに対して父親が謝罪した際オリバーが発するときだ。どちらも印象的なシーンとなっているため、このセリフには強い意味がある。

主人公オリバーについて誰に当てはまるかは全員の情報が判然としないので断言はできない*2

ただ、ここで私が言いたいのは、どちらにも共通するのはヒロインが「ジェニー」という名前であることだ。主人公の人生の中で全てにも等しいほどの愛を注いだ人間に対して、この名前がつけられている。

特にフォレスト・ガンプにおいて、名前は重要なファクターのひとつだ。映画冒頭はフォレスト・ガンプという名前の由来から始まり、ダン中尉はその名前に誇りを持って生きている。フォレスト・ガンプ御用達の名前で卓球のラケットはヒットし、フォレストの名は息子に引き継がれた。

特筆したいのは、フォレストが中盤、自分のエビ漁船に刻んだ名前だ。

I’d never named a boat before, but there was only one I could think of, the most beautiful name in the wide world.

"the most beautiful name in the wide world"――世界で最も美しい名前。そう言って、彼は船に「ジェニー」と名付けた。このシーンはフォレストのひたすらに真っ直ぐな愛情が印象的で、だからこそ意味がある。

影河凌駕の話に戻ろう。凌駕の人生について、語られている部分はそう多くない。正式に公開されている情報の真偽の精査が出来ないので明言する自信もない。それでも確かに言えることは、開示されている彼の中で「ヒロ」という存在がほとんど中心を占めているということだ。智紘によってアイドルを志し、智紘の支えになろうと側を離れ、智紘の死の真相を究明するため、智紘との約束を果たすためにこれから先の人生全てを華人形プロジェクトになげうった。そして今は眞紘とともに、智紘の遺した願いである「アイドルとして共にステージに立つこと」を叶え続けるためにステージに立っている。智紘とは違う存在として、同じ呼び名でも全く違う「ヒロ」として、結城眞紘のことを大切に思っている。

前述した名前の話と考えると、凌駕にとってのジェニーは「ヒロ」に違いない。

ヒロの記載はどれに当たるだろうか。HEROかもしれないしHIRO(ハワイ語で撚り合わせるの意)かもしれないし、やはりヒロかもしれない。考察をぼんやりとする身からするとHEROであろうと考えるが、凌駕の心を思うとヒロであってほしい気持ちもある。

フォレストがジェニーを、オリバーがジェニーをまっすぐに愛し続けたように、クローバーを冠する凌駕にとっての幸せは、その不器用で真っ直ぐな愛を貫き通すことなのかもしれないと今のところは思っている。

前述でラブ・ストーリーの”Love means never having to say you're sorry.”を出した。「愛とは後悔しないこと」と訳されているが、解釈としては個人的に内田樹先生のブログ(2000/12/25)を参考にしたい。

blog.tatsuru.com

「愛」というのはあとで「ごめん」と言わねばならないような仕儀に立ち入らないように、一瞬たりとも気を緩めないほどに張り詰めた対人関係のことである。(中略)
「愛する」というのは「相手の努力で私が快適になる」ような関係のことではなく、「私の努力によって相手が快適になる」ような人間関係のことなのである。

昔とは違って、彼が大切に思うのはヒロだけではなくなった。メンバー全員のことを大切に思って、Anthos*として手を取り合っていくことを彼は望んでいる。それでも「一緒にいる」と決めたのが他ならぬ「ヒロ」への誓いであることに変わりはない。

幸せであってほしいと願うこの人にこそ、幸せになってほしい。だからこそ自分の望んだ人と一緒にいてほしい。いられる未来であってほしい。

そう願ってしまうことを許してほしい。彼の幸せを祈っている。

*1:様々な作品でオマージュされているため一概にこの作品と言い切れないのは事実だが、初出であるところから見てこの作品の可能性を強めても良いと考えた。

*2:順当に考えれば父親と不仲であることが決定している眞紘だが、境遇を考えると智紘に近しい部分があり少し外れる気もする

少年マガジンエッジ2021年9月号「華Doll*~Flowering~」感想

はじめに

凌駕回前半(8月号)感想

skmysn.hatenablog.com

どうかコミカライズを読んでほしい

https://magazine-edge.jp/

私の心構えについて

上記8月号の感想末尾にも述べたように、私は9月号が配信された日(8/17)、ワクチン接種2回目を済ませた直後で同人原稿の〆切が待ち構えていた。

Kindle電子書籍配信で購入しているため、0時をすぎれば配信される。この時体温すでに37.7℃。副反応は限界原稿中の身体を容赦なく襲い、死にものぐるいで原稿しながら「もうすこし健康な生活をしておけばよかった」と本当に後悔した。3日寝込んだ。同人原稿は天地がひっくり返っても間に合わなかったので早々に〆切を延ばした。

そんなわけで〆切が延びたことと何をどう頑張っても寝込むしかない未来に多少の安心すら覚えながら、私はKindleを開いた。時刻は0時3分。TLを見るとすでに何人かの先駆者の死体が見える。

8月号感想で述べたように、この9月号はAnthosの仲間から凌駕への働きかけ、そして凌駕の意識の変化が明示されることはある程度予測がついていた。

次は大丈夫。覚悟はきちんと出来ている。

本誌感想

凌駕回前半(8月号)はぎくしゃくしたふたりの関係にフォーカスしていた。それは過去に起きてしまったことに囚われて目の前の人がうまく見えなくなっている凌駕と、全てを遠ざけて独りでいようとする眞紘の見ているものの違いからきている。前回は眞紘の視点を中心に話したので、今回は凌駕回らしく凌駕にフォーカスを当てよう。

大前提として、公式が提示している公開ページ部分を見てもわかるように、凌駕はそもそもアイドルになりたかったわけではない。

彼は偽りの「夢」を愛するふりをした。

――池袋ジャックポスターより(Booklet vol.3参照)

プロジェクト始動当時から、しかし、特にMessage~For…によって明かされる凌駕の心情で、彼はAnthosとしてデビューしたいと思うようになる。それは1年を共に過ごしてきた仲間と築いた絆ゆえだ。凌駕が誰にも肩入れしないただの傍観者――天霧の内通者としていられたなら、もしかしたらそうはならなったかもしれない。

感情で特定の個人に入れ込みすぎると、自分の立ち位置を見失う

「Message」ドラマパート内発言

凌駕の場合は特定の個人に――眞紘に――入れ込んだからこそ、本当の意味でAnthosの当事者になることが出来たのではないかと個人的には考えている。誰かを大切に思うからこそ、築かれる絆もある。眞紘を心配する気持ちと、なにかできることはないかと模索する気持ちを同じくしているメンバーは、凌駕にとって間違いなく頼れる仲間だし、助け合える存在になった。それは今回の話でできたものではなく、1年以上を通じて共に過ごしてきた関係に凌駕が少しずつ自覚したものだ。時間をかけた思いほど根は長く伸びる。疾風に勁草を知るとよく言うが、これで凌駕の根は確かなものになったと言ってもいいだろう。

過去、影河凌駕は手を差し伸べられた側だ。天霧智紘が伸ばしたその手を、若かりし頃の凌駕は取った。眩いばかりの光に目が眩んだがゆえに――いや、親友と思いたい大切な友人のそばにいたいと思ったからかもしれないと、個人的には思っている。しかし、だからこそアイドルになりたいという気持ちの決定的な温度差からふたりの道は離れ、凌駕は智紘の手を離してしまった。凌駕はそれを良かれと思っていたし、分かってくれると信じていた。

そして、凌駕は智紘を失うことになる。

智紘の死の真相を求めて再びやってきた華人形プロジェクトの中で、凌駕は眞紘に出会った。そこになんの因果があるかはこの際関係ない。ただここにあるのはふたりとメンバーがそれぞれに築いてきた関係の事実だけでいい。

自分の立つ場所を確保した今、凌駕は眞紘に向けて手を差し伸べている。かつての親友と同じように。彼の弟としてではなく、ただひとりの存在である結城眞紘、その個人として。

手をのばすという行為には、相手の選択が伴う。伸ばした手に応えてもらえなければ次のステップに進むことはない。何も言われずとも救うのは庇護だ。庇護という言葉には「弱いものの立場をかばって守る」という意味がある。つまりこの言葉には、愛があろうとも明確に立場の上下が存在する。

しかし、ここで凌駕が眞紘と築きたい関係は、凌駕ソロでも繰り返し述べられているように「soulmate」だ。訳し方は様々あるが、ここではとりあえずそのまま使用しよう(あえて訳すなら「心からわかりあえる人、運命を共有する人」というのが一番しっくりくるが、長いので)。そこに上下の関係はない。そうでなくてはならない。求められずとも応える関係を悪いというわけではないが、それも一方が行き過ぎれば一種の支配だ。

だからこそ、凌駕は手を伸ばした。
「どうかこの手をとってくれ」
きっとそれは相手に対する祈りであり、同時に自分に対しての救いだ。

凌駕に手を伸ばしたときの智紘も同じだったのだろうか。この手を取ってほしいと願って、その手が離れていくのを彼はどんな気持ちでいたのだろうか。

それを推し量ることは、今の私達にできないのだが。

今2ndシーズンが展開されている中でこの先に何が起こるのかわからないが、アイドルたちにとってよりシリアスな展開になることは公式から明示されてしまった。

hana-doll.com

この先どうなるのかはわからない。それでも凌駕はこれから先、眞紘の手を離すことはないのだろう。そうであってほしいと、願っている。

 

最後に。一時の安寧でもいい。眞紘が心から笑ってくれてよかった。

次回に向けて

ついに次号からは(おそらく)眞紘の回になる。陽汰回で記者の言葉を意味深に出したわりにはあっさりと本編の内容を吸収して薫回へ行ったことも鑑みると、眞紘が咲いたあとの話ということも考えられるが、どうか。特に5巻「For…」前後はSpecial Package2での補完がされていることもあり、他巻よりも余白が少ないのも事実である。これまでのパターンで問題編→解決編の流れが出来ていることから見て、もし開花前だとすればFloweringステージの撮影風景、もしくは練習あたりではないか……と予測している。開花後であればFloweringステージが開催できなくなった結果のホームミニライブについてが大きなところか。

結城眞紘という人間の掘り下げに当たるので天霧社長の登場にも期待を寄せたいところだが……流石にないか……。1話の眞紘の夢や2話のステージ登壇前で匂わせてきた智紘の影の回収が一切ないので、智紘周りの情報について追加で出ることを期待している。

コミカライズでは、靴の中に入った小石のようなわずかな、しかし個々人が抱える大事なわだかまりを解消してきたという認識をしている。眞紘にとってのわだかまりはFor…で大きく動いたと個人的に考えているが、どのような話題が来ても生き残れるように……何しよう?

筋トレ、するか(なんで?)。

 

P.S. 解決編って綺麗にまとまるのであまり書くことがないなって書いてみて思った。

少年ジャンププラス「ルックバック」感想

注意

これは自分のためのはきだめ。

shonenjumpplus.com

最悪だ。

どうして読んでしまったのだろうと後悔しても遅い。素晴らしい作品だ。だからこそ、最悪だ。

本当はこんな感想、書きたくない。そもそも同人の原稿〆切まで1週間を切ろうとしている今、こんなものを書いている時間があるならさっさと原稿をしろという話である。分かっている。

本当に、最悪だ。

でも、この感想を書かなければ、私はきっと何も書けない。この作品を消化できずに引きずられた精神のまま、ぐちゃぐちゃと思い悩んで……落ち込むのだ。精神の作りが人より脆弱に出来ている人間にとって、この作品は最悪という言葉以外の何ものでもない。泳ぐのをやめたら死んでしまうマグロにとって、まるで優雅に泳ぐクジラがにくいのと同じように。

別に、こうやって打ちのめされるのは初めてではない。これまで人生の日数を軽く超えるほどの本は読んでいて、そのいくつもに叩きのめされてきた。そしてそのたびに、こうして書いてきた。

何かを――特に物語を紡ぐ人間にとって、他者の作品は良くも悪くも得体のしれない自生したきのこだ。誰もいない森の中で生きていくには、食わねばならぬ。食って当たり死ぬ思いをすることもある。私は物語を書くというサバイバルにおいて貧弱であり、何度も何度も当たっては死ぬ思いで、時には本当に死んでやろうとまでしてきた。(まあ、見てのとおり今命汚く生き残り続けて、性懲りもなく書き続けているわけだが。)

人が同じ作品を見てやる気を出したり、元気になっているのを見て、どうしてそうなれるのかと考える。ゴミ溜めの部屋の中、あちこちにうず高く積まれた本をひっくり返して叫びながら知ろうともがく。でもわからない。きっとみんな、作品を解毒して咀嚼する方法を知っているのだ。それはすなわちみんな火を使う知能を持ったヒトということで、火を利用しようとする知能も勇気も覚悟もない私はサルでしかないということにほかならない。そうしてまた落ち込む。

いつしか、美しいと思うものにはきっと毒があるのだと、小さな脳みそが理解する。「コレは美しい。きっと毒に違いないから、食べないほうがいい」本能が警告を発するまでに刷り込まれた善意の恐怖を、何故か私は気づかないふりをしてページをめくる。そうして、……性懲りもなく、落ち込む。

書いても、書いても、書いても、書いても、届かない。運動神経すら悪いこの体は、己の身の丈ほどしか伸び上がれずに、またきのこを見つけて地を這う。ああもう、本当に、最悪だ。

嫌だ。いやだ。もう書きたくない。ずっとそう言っている。書きたくない。もうやめたい。私はどうしたって美しいきのこを生み出せない。マグロはひっくり返ってもクジラにはなれない。何度も、何度も、傷口に塩をすり込むように教え込まれている。今、この瞬間も。

書かないと死んでしまう自分が嫌だ。書かずにいられない自分が嫌だ。汚いものしか生み出せない自分が嫌だ。書いても、書いても書いても書いても目の前の美しいものを糧に出来ない自分が嫌だ。

それでも、美しいものには手を伸ばしたい。偉大だと思うものの前では、呼吸を忘れて止まってしまう。悲しいかな、目の前のことに筆を取らずにいられないのが自分だ。確立してしまった生き方だ。

この作品の伏線や、視差効果や、細かいことはきっとさまざまな人が書いてくれている。私が気づかなかったことまで、つぶさにみんなが見ている。

私は、私が人よりも確実にわかるのは、人の世ではない森の中で生きるということだけだ。優雅に泳ぐそれが同じ水の――いや、もっと、何千倍もの――抵抗を受けてなおそこで生きているということだけだ。

ああ、いやだ。

私にある選択肢は、結局書くことしかない。

華Doll*2nd season INCOMPLICA:I/F~Idéal~感想

hana-doll.com

通して聞いたざっくり感想

痛い。終わり。

私はプロ意識の高い、誰をライバルと見るわけでもなく孤高に高みを目指すアイドルのことを好きになりがちだ。だからLoulou*diのことも好き……好きだ。好きなのだが……どうにも、素直にそう言えない。それなのに、惹かれて仕方がない。

Loulou*diというユニットのあり方に対して、私はどういう立場でありたいのか。わからずにいる。

例えるなら、気に入った曲のCDは買うが新曲のチェックはしないような、音楽番組に出演していたら目がいくが、わざわざ見ようとチャンネルを変えたりはしない、今はそんな存在……かな。

太陽を見る人

蝶は蛹の中で一度身体のすべてをくずして、身体を再構成するのだという。失敗すれば死んでしまうそんな危険を超えて、ようやく蝶は蝶になる。はたしてそのとき(彼らにそういうことを考える思考があるのかどうかは別として)、蝶は地を這ういもむしだった頃のことをどう思うのだろうか。美しい羽を羽ばたかせ、風に向かいながら飛ぶ姿は確かに人の目に美しいが、彼ら自身は必死にもがいて、生きるために羽を広げるだけだ。それでもいもむしであったこと、今こうして蝶であること、彼らにとって自分とは似ても似つかない姿が自分の過去と一致させられるのかどうか、わからない。

Loulou*diというユニットは正しく蝶のあり方そのものなのだと、Universを聞いた時から思ってはいた。特に烏麻亜蝶の生き様はその名が示すとおり正しく蝶だ。誰の目にも魅力的であり、美しくあり、思わず目を見開かせるような力を持っている。同時に自分が必死にもがき苦しみながら生きるさまを知っていて、それを無様だと唾棄する。

Empty DreamのMVに繰り返し出てくるバレリーナもそうだ。爪の剥がれる痛みに冷や汗をかいてでも、トゥシューズを履き、美しく舞い続ける。

youtu.be

このMVからみてもLoulou*diに関わってくるモチーフが哲学であることは明白だが、特に分かりやすく示されているのはプラトンの洞窟の比喩だろう。彼らが追いかけているのは人形=ChiHEROの影であり、真実ではない。おそらく。

洞窟の比喩に欠かせないのは、太陽を見る人の存在だ。それが誰に当たるのか、考えるまでもない。陽汰の孤児院時代について言及されていたSSで、なついていた弟分の存在について記述がある。

足が悪くて車いすに乗ったあいつは、少し寂しそうに微笑む。いつも一番近くにいて、物心ついた時からずっと一緒にいたやつだから、あいつが新しい家に引き取られる前の晩は、一緒の部屋で朝まで他愛のない話をした。

出典:The Way I Am~HARUTA~アニメイト特典SS「The Way I Am~Birth~」より

櫻井鬨だ。Anthos*において太陽のモチーフが使われるのは陽汰で、そして、Loulou*diにおいて対となれる存在は彼しかしない。

今回はゲスト出演に眞紘と陽汰が名を挙げているのを見て、おそらく陽汰に関係することなのだろうと考えていた。亜蝶の眞紘に対する感情はUniversの時点である程度はっきりしているからだ。CMで先出しされた部分の内容で確信し、いくつか予測を立てながらCDの発売を心待ちにしていた。(ちなみにCD予約の手違いにより他の葦のみなさんに比べて2日ほど聞くのが遅れた私は、先にタイムラインのうめき声をさんざ浴びたあとにドラマパートを視聴することになる。)

そうしてついに、一通りドラマパートを聞いた私は呟かずにいられなかった。
「ああ、やっぱり君は太陽を見たんだね。」
洞窟の比喩において太陽を見る人は、縄を解かれ、光を直接見た時、目が光に慣れないために苦痛を感じ、よく見えず、見慣れたもとの影絵を実在だと思い込もうとする。鬨の状態はまさしくそれだ。痛々しいまでに光を――陽汰を拒絶するのは、過去地を這ういもむしであった自分が現実だとはっきり理解しているからこその反応だ。

Anthos*の中で陽汰は自己肯定感の低い「持っていない」側として描かれてきた。しかし、鬨から見ればすでに充分すぎるほど「持っている」。鬨が裕福な家に引き取られることを羨ましく思った陽汰に、その後の鬨の状況を知る術は絶たれた。Final DirectionのMV(1:42あたり)から言って、その家が鬨をどういう意図で引き取り、どのように扱ってきたかは想像に難くない。

youtu.be

歩けて、走れて、ダンスが踊れて、みんなから慕われて。同じ場所で共に過ごして、ハル兄と慕ってきたからこそ、愛おしくそして憎く思うことはたくさんある。

Anthosの中で、陽汰は救われた。本当に自分の足で立つ場所を見つけた。だからこそ、鬨を救えるのは……残酷かもしれないが、陽汰しかいない。眞紘を救うために必要だったのが、同じ大切な人を共有している凌駕だったように。鬨が救われるには、"あの約束"が必要不可欠なのだと思う。蛹の中で、自分の過去をどろどろに溶かして再構成したとしても、存在の核は残り続けるように。櫻井鬨の存在は、彼の無意識下でそれが全てだ。

まあ……ここで問題になるのがドラマパート最終のルイの行動なのだが……。

このプロジェクトに参加してしまった時点で、もう二度と元に戻れるものではないが、せめてどこかひとつ幸せであれば良いと願ってしまうのを許してほしい。蝶が苦しみ耐え抜いても羽ばたく姿を、自分で美しいと思えたらそれできっと幸せだ。

亜蝶とルイについては……やはりまだ、わからない。Final DirectionのMVから見て次回に亜蝶の掘り下げが来るように思っているので、それを待ちたい。

楽曲について

ドラマパートはとりあえずこのくらいにしておいて、楽曲について一言だけ。

歌、うま……………………。

信頼と安心のはまさん楽曲に信頼と安心しかない豊永さん武内さん山下さんの歌、構成、表現力、どれひとつとってもLoulou*diというブランドに不可欠だと思う。楽曲を聞いただけで痛くて痛くて、最初通しで聞けずに止めたのはいい思い出だ。それくらいの衝撃だった。心にある柔く薄く張った膜に傷を付けられるような作品が大好きだが、ナイフを突き立てろとは言っていない。

しかし、痛いくらいに苦しいのに、どうしようもなく美しくて惹かれてしまう。きっとこれがLoulou*diというユニットの真価だ。

傲慢にもあなたたちの幸せを願いたい。この先を見届けたい。

茨の道へ素足で踏み込むあなた達は、なお気高く美しい。

おまけ(初見感想)

初見感想はリンク先↓

fusetter.com

少年マガジンエッジ2021年8月号「華Doll*~Flowering~」感想

はじめに

華ドルのコミカライズについては楽曲を追っていた当時から知っていたが、「まあ単行本が出たら買うくらいでいいか……」という程度の軽い気持ちで手を出さずにいた。しかし、6月9日から放映されているLoulou*di 2nd Album「INCOMPLICA:I/F~Idéal~」TVCMを視聴した際、Twitterのフォロワーから「クマのぬいぐるみとの関連はコミカライズですでに提示されていた」という情報を得たため、過去分含め電子で全て買い揃えることにした。

youtu.be

これが終わりの始まりである。

とりあえずこれだけは言いたい。

単行本が出てから~って気持ちは痛いほどわかるんだけどもしよかったらマジで本当にコミカライズ読んでくれ。

https://magazine-edge.jp/

誰の読みたいか教えてくれたらどれを買うべきか言うので読んでほしい。
だいたいふらぺちーの1食分の価値はちゃんとある。
(全然食べんから値段ようわからんけど。たしか同じくらいやろ。)

コミカライズの立ち位置について

基本的にはドラマパートの隙間時間を埋めるストーリーとなっている。ドラマCD1stシーズンを全て視聴したファン向けのコミカライズなので、正直あまり新規を取り込むための優しさはないように思う。具体的にはブログ担当の方が公開してくださっているだけではない出演情報のビハインドや、天霧プロダクションにおける彼らの生活についてが主だ。

2ヶ月の連載で1話の区切りが付き、それぞれにお当番が存在する。今のところ順番はおそらく以下の通り。

  1. 理人(たぶん)(メンバーと打ち解けるきっかけの話)
  2. チセ(Juliet撮影時に起きた大事な事件)
  3. 陽汰(今日スタアイドル大運動会での裏話)
  4. 薫(今日スタクリスマスお料理対決での裏話)
  5. 凌駕←Now!
  6. 眞紘(たぶん)

Floweringと銘打った話としては12回連載で完結ではないかと推測される。

一応お当番とは言ったが、全員が次第に成長しているさまや、打ち解け合ったり、逆にギクシャクしていく関係を丁寧に描いているためどの担当の方にも全話おすすめできる。

本誌感想

クリスマスカラーコンビを推している身として、今回が凌駕回になることはほぼ確定だったので死の覚悟はしていた。同じコンビ推しの方々と「墓掘っとこうwww」などと笑いながら、来たるべき蹂躙の時間に備えてはいた。

配信読了直後。

覚悟……? 全然足らんがな……。

クリスマスカラーコンビ推し生きてる……? し、しんでる……!!

時系列としては4巻「Message」後、5巻「For…」の前。Special Package2のTrack1よりも前ではないだろうか?Twitterの発言にあるように、眞紘が眠れなくなり、周りが心配を始める頃の話だ。

4巻ラストのこともあり、凌駕は眞紘にこれまで以上に過保護になっているし、そんな凌駕に対して眞紘は避けるような態度を取っている。これまで8回積み重ねてきた連載の中で、眞紘の笑顔が違う。口角は上がっているし、目尻は下がる、しかしそれが愛想笑いであることは誰の目にも明白だ。自分が"独り"になったことを、自覚している。

覚悟を決めて独りで立つことが正しいと思っていた。

出典:The Way I Am~MAHIRO~アニメイト特典SS「The Way I Am~For…~」より

この「独り」だ。

「独」という漢字を振ったことにあえて意味を与えるとするならば、私はそれを周りに仲間がいるにも関わらず、自ら他を拒絶してしまう独りよがりと捉えた。眞紘が無意識に自らの選択の幅を狭めて意思決定をすすめることで、抜けられない闇に落ちていく。

今月の本誌、コマ割りの中でも眞紘は孤独だ。同じコマにいてやたらと距離が近い凌駕も、いつもの距離とは圧倒的に遠い。明らかに、眞紘は"独り"だった。

理由は明らかだ。眞紘は凌駕にしか弱みを見せていない。金属は腐食した部分に何度も力がかかることで簡単に折れてしまう。この時期の眞紘にとっての凌駕は、まさしくそこだ。凌駕にだけ弱みを見せられたからこそ、これ以上凌駕の側にはいたくない。

対して今回のお当番である凌駕は、眞紘を助けたい。そばにいてやりたい。4巻「Message」の楽曲が重ねて真っ直ぐに示す、そのままに。しかしそれが最も眞紘を――今一番大切な人を傷つけるということも、分かっている。

そもそも凌駕の眞紘に対するスタンスは、智紘に対して一緒にいてやれなかった後悔から来ている。これまで無意識に眞紘に智紘を重ねて行動していたものが、眞紘が天霧の息子である=智紘の弟であるというつながりを知ってから過剰になった。そんな自分が良くないことも自覚していて、うまく距離をつかめない自分に苛立っているのがコミカライズの現在だ。

眞紘に智紘を重ねてはいけない。そう考えれば考えるほどに、凌駕は重ねて見てしまう。次こそは側にいたいと、願ってしまう。これは自身のエゴでしかないと凌駕は思っている。ひとえに、人と深く関わることをしてこなかったからこその弊害だ。それは凌駕ひとりのせいではない。育ってきた環境や、この社会のせいであると分かっているからこそ切々と胸が痛む。

だからこそ、この時系列で解決されるべきわだかまりは凌駕のそれなのだと思った。自分がしっかりとした地面に立っていなければ、人に手を差し伸べることは出来ない。5巻「For…」に向かうには、あの行動に至るには、何よりも凌駕の意識の変化が必要だ。Anthosとしてデビューしたい。そう思わせる何かがなくてはならない。そしてそれは、これまでに開花を重ね問題と向き合ってきたメンバーの力を借りなければ、きっとなし得ない。

来月の後編で、凌駕の意識に何らかの変化がもたらされると良いなという希望を抱きつつ……来月のマガジンエッジ発売日がコロナワクチンの接種日翌日兼同人の〆切と被っているので今からすでに発狂しそうだ。

はあ……生きよ。

 

最後に

小難しいことを並べ立てたが正直なところ凌駕の眞紘に対する過保護ムーブを見られると聞いて全部買って読んで本当に全話過保護ムーブしてて白目むいた。

なん……なんですか? クリスマスカラー推しの人はとりあえず読んでください……お願いします……。

「7 Meet A Anthos* Stage Event 2021」を終えて(移行)

※こちらの記事はnoteにて掲載したものの移行記事となっております。移行元は以下↓

note.com

結論

めっっっっちゃよかった。Anthos*がもっと大好きになったしずっと応援したいと思った。大好き。

私について

詳しく語る前に私がどういうAntholicなのかについて事前情報を入れておくとわかりやすいので記述。

もともとはムービックのアイドルコンテンツ、ツキノ芸能プロダクションにド狂いしている二次元アイドルオタク。他にも男性アイドルだとあんさんぶるスターズ!IDOLiSH7、IDOLM@STER SideM、アイチュウなどなど多数の二次元アイドルを応援する日々を送っている。
華Doll*については、TOKYOMXのムービック枠でツキプロのアニメの再放送を見ているときに知った。2020年4月のこと。Me Against Myselfを聞いて、CMを見て、単純に曲が好きという理由だけでCDを全て集めた(当時遠征がことごとくなくなってお金を使う先がなくて)。当時同人の原稿やコロナでの職場人口削減で多忙を極めていたため、配信で購入した曲をくり返し聞くだけでCDのフィルムを開けてすらいなかった。ドラパを聞いたのは11月に入ってからで、本格的に好きになるのは眞紘くんのソロが発売されてからになる。
ただ、楽曲については本当に自分好みの楽曲だったため、2020年のFloweringが開催されない代わりに放送されたHomeMiniLiveはリアタイし、Anthosのことを何も知らないのにAntholicで泣き散らかした。いい歌。そのまま通販があったので「これからもこのコンテンツ続いてくれ~!!」と変なテンションでグッズを一通り買った。

ということで、ただの弱小新米Antholicである。考察とか難しいからあまりしていないし、最新作Meetのドラパで気が触れたようにチセくんの無事を願って神社に行って祈った。(あとでTwitterとの時系列の連携に気づき少し安心した。)
おそらくこのコンテンツが始まって長くAntholicでいらっしゃる方々に比べれば思い入れもそうあるわけではない。ただAnthos*というアイドルが自分の生きがいのように輝いて、幸せであってほしいと願うだけの弱いオタクだ。だからそう大したことは書けないのだが、ひとりの弱小Antholicの備忘録として時間つぶしの読み物にでもなってくれたら嬉しい。

事前の心構え

今年こそはイベントが開催されるとのことで、配信の慈悲を心から願っていたところありがたくも存在したので昼公演・夜公演ともに配信で参加した。

様々なコンテンツを追っている身として声優さんは必ずお見かけしてきた(主にSideMで)方なので、キャストに不安は一切ない。しかし少しだけ不安点があった。
正直なところ、ムービックさんが出すライブは少しばかり音響が微妙な印象が強い。歌うまモンスター勢揃いのAnthos*とはいえ、音響という土台がしっかりしていなければ流石に危ういのではないか……?(イヤモニ聞こえてない状態でステージ上で歌い切る土岐隼一というモンスターは実在するんですが……)
あと私のAnthos*への想い。ツキプロを主軸として活動しており、特にSolidSを推している私は都合上諦めた彼らの単独ライブのセトリを見ただけで大号泣する(実際した)。「もし現実にAnthos*としてキャストが登壇しているのを見て、そんなに好きだと思えなかったらどうしよう……」というリアルイベント特有の不安もあった。
そんなこんなで、ライブが始まるまでは期待80%・不安20%くらいの心持ちで、会場内の様子を映すカメラを横目にAnthos*のTwitterや陽汰くんのお誕生日AnthosFandomタグを巡っていた。

ああ、いよいよライブが始まる。ペンライトをつけ、一瞬何色にしようか迷って眞紘くんの赤にする。コメント欄に時折出没していたAnthos*がいなくなる。会場の音楽の音量が少し上がる。
始まる。

昼公演

開始映像でメインビジュアルの7人が動いているのをみてすでに感極まっていたのだが、こんなところで泣くことはないと心を落ち着けた。映像が再びカメラに切り替わり、上手からキャストが登壇する。メインビジュアルの衣装と同じだ。左腕には今回のグッズであるリボンが縫い付けられていてかわいらしい。7人が揃う。司会進行を務める土岐さんにカメラが切り替わる。
この瞬間もう泣いていた。さっき「こんなところで泣くことはない」とか言っていたくせに泣いた。7人が揃って、今からイベントがはじまる実感がここでようやく伴ったからだ。新米のくせに生意気と思うだろうが、個人的には去年のライブもかなり楽しみにしていたのだ。そこから1年待った。このコンテンツとしては初めてのイベントになるステージの上で、キャストの皆さんは少し緊張した面持ちながらイベント開催への気概に満ちているように見えた。
今でも配信参戦で良かったと心から思う。人が見たら笑ってしまうくらい号泣していた。手に通したばかりのペンライトを一旦おいて、頑張ってキャストの挨拶を聞くことに集中する。各キャストをイベント会場で見るのも久しぶりだ。本業が声優である手前、イベントでの邂逅を願うのもおかしいとわかってはいるのだが、出会えたことは嬉しい。そのための機会がここなのだから、喜んで然るべきだ。泣いてるけど。
途中から、Antholicとしての期間本当に短いのにこんな泣いてしまうの申し訳ないな……と思いつつ、もうその時には「今から絶対に良いものが見られる」という根拠のない確信が生まれていた。

朗読劇

内容は前日入りしたホテルでの陽汰誕パーティの後、寝るまでの話。
具体的な内容は別記事にでもまとめたいと思うが、最初の言葉を聞いてすぐに「あ、これは関先生(のシナリオ)だ」と嬉しくなった。私はツキプロSolidSQUELLのドラマパートシナリオも担当されている、関涼子さんの言葉が好きだ。華ドルのドラパを聞こうと思ったきっかけも関先生からなので、ブレずに同じシナリオライターさんを使ってくれることに感謝した。
キャストが実際に掛け合いをしているのをみて初めて実感したことがある。
こ、駒田航さんからちゃんとチセの声が出てる……!!!!
これはみんな確認したかったことだと思う。違うかな。私は正直半信半疑だった。古論クリスを主体に銃兎とあきやんしかしらないので余計に。本当にあの身長でっかい人からチセちゃんのロリボイス(コラ)が出てるの……?みたいな。
現実:で、出てるぅ……
もうこれだけでこのイベントの価値あったんじゃない?レベル。黄色のイヤーカフとタッセルかな?がチセの長い髪みたいでニコニコしちゃった。
朗読劇本編の内容にネタバレせずに言及すると、それぞれお互いの領域に踏み込むことに遠慮がなくなってきて、踏み込まれることを苦としなくなってるなあという印象を受けた。この空気感こそがAnthos*の積み重ねてきた時間で、信頼なんだなあ、みたいな。
あとMeetのドラパだとものすごい憎悪向けられる刹那がふわっと一緒にいてみんないて当たり前みたいになってるから、理人とは和解しているのかな…?早くそこのところどうなのか知りたいのでCDが恋しい。
あと個人的に最高の展開が昼公演朗読劇にあったので明日円盤がほしい。
Anthos*かわいいな~と思えるほっこりしたお話だったので、いくらでも聞いていたいと思った。

映像→ダンスパート

場面転換用の映像と思っていたら意外にも長く、しばらくして「あっこれ考察パートだ……」と思い至る。「出会わなければ――」で始まる文章が4つ開示されるのだが、書かれている内容がつらくてすでにぴえん状態になる。私は考える葦になりきれない傷ついた葦なのでなんとなくぼんやり考えながら見ていた。とにかくこの先のドラパ展開に不安を覚えつつ映像が終了。暗転したままの舞台が再び映る。
次は?次は何が起きるの?
そう思わせるわくわくを与えてくれるだけでもとても楽しいイベントだよ。確実にいいものがそこにあるし。
一瞬の静寂を切り裂いて、ブザーにも似た聞き慣れたイントロが流れる。「Who ask, who are you?」
S.T.O.P!!?!?!?!???てか歌じゃねえこれダンスだ!!!!!
画面を見ながら少し固まってしまった。正直に言おう。予測してなかった。ムービックさんダンサーさんを効果的に投入されるのがうまいから、ダンサーさんの動きも楽しみだな~!とか思っていたところにガチガチのダンスを投下されるとオタクはどうなると思う?思考が焼ける。しかもAnthos*曲の中で特に強めのガツンと殴りに来る最強の曲S.T.O.Pに!ダンス!!最高じゃないのよさ……。
ダンサーさんたちはよくツキプロ2.5次元ダンスライブでお見かけしている面々が多かったので、絶対的信頼を寄せながらパフォーマンスを拝見していた。
歌のクオリティが段違いに高くてしかも難しい華Doll*というコンテンツにおいて、それぞれの次元をレイヤーに分けて特化させるムービックの方式めちゃくちゃ合うんだよなあ~!!と思いつつ、華人形プロジェクトのアイドルはこれができちゃうんだよなあと思い改めて華ついて少し思いを寄せていた。
なんかこの文面上冷静に見えるかもしれないけどそんなことはない。
正直なところ記憶がない。
鍵垢で「は!?!?!?!?」「S.T.O.Pまじで!!!?!?!??」とか叫んでいるうちに終わってしまった……。ダンサーさんと役の一致まではできず、誰が誰のパートをやってるかわからずに「STOP!」の部分かっこいい~~とか思ってたら終わってしまったので明日円盤がほしい。
とにかくかっこよかったし、そこにAnthos*のパフォーマンスを見たことだけは確実に言える。

ソロ

次は流石に歌だろうなという思いはあった。キャストの休憩とかの都合上ソロやるのはわかってたし、時間配分的にそろそろ歌に入らないとおかしい。私が最初に上げた不安点が頭をよぎった。
音響、大丈夫かな。
いや、何度も場数を踏んでいるキャストさんたちということはわかっていて、その実力を疑うつもりは一切ないんだけれど、それでもこれまでいろいろあって……まあつまり、怖かった。華Doll*というコンテンツに楽曲から入った身として、歌が最大の懸念点だった。たぶんここで失望していたら、このレポなんて書かずにCDの世界に引きこもっていた。
紫のライトがステージを照らす。ああ、CDが出た順だと思った。Pain In My Heartだ。伊東健人さんのことはだいぶいろんなコンテンツでお世話になっておりSB69のヤスくんの歌が好きで、去年のヘビロテは華ドルとDOKONJOFINGERと言っても差し支えない。心配はない。大丈夫、大丈夫。
…………??????
音響について、最初のワンフレーズで判断できると思った。
……いや、わからない。え? わからない。
伊東健人さんの歌がうますぎて、そこに信頼がありすぎて、音響が大丈夫なのかどうか判別がつかない。
歌、うま………!!?!?!???
不安が吹っ飛んだ。同時にキャストの方々に失礼だったと猛省した。あなた方は本当に心底からのプロだった。ごめんなさい。
降りゆく雨のような、傘から伝う雨の重みを感じるような、しんとした重さと透明さを保ったまま、芯を持って歌い上げるPain In My Heartのなんと美しいことか。喉からCD音源なんてもんじゃない。CD音源じゃたりない。
これはAnthos*の歌声担当であると体現する歌だった。賞賛の言葉しか出てこない。
同時にこの次歌いたくないわ……という気持ちでふと次が誰か考えている最中に、曲が終わった。
ライトが青に変わる。薫くんだ。Breathe。個人的にとても好きな曲。
息を呑んだ。
実は私、土岐隼一さんのアーティストとしてのCDを買う程度には土岐隼一さんの歌が好きなのだが、やっぱり好きだと思い直した。
あんなに嬉しそうに、笑顔で、ただひたすら「生きる」「息をする」。かつて苦しくて惨めだったことを穏やかに、会場を越えて配信の私たちにすら伝わるように歌う。
そこにあるのは如月薫という半生が生み出した空間だ。あんな歌を歌われて泣かんAntholicおる???おらんやろ(断言)
それこそ、薫くんのモチーフにはわかりやすく「人魚姫」があり、昼朗読劇で「ローレライ」と例えられる。それだけの力があると実感させられる歌を聞いて、私はどうしたか。
そろそろわかりますよね。
むせび泣いてました。
現地参加のAntholicの皆さんを尊敬せずにはいられない……私生きていられなかったと思う……。
もうこの先のソロの流れはわかっているので、不安要素も完全に消えた私の情緒はジェットコースターです。お気をつけください。
影河凌駕のThe Days。はじめ聞いた時にはまだAntholicではなかったため、「バタフライエフェクトフォレスト・ガンプからか~」などという気軽な気持ちでしか聞いていなかった。智紘と眞紘に対する愛を知ってからというもの、聞くたびに頭をかきむしりそうになる曲に変貌しているが。この曲だけ頭出しから歌が始まる。
入りは少し乱れたものの、しっかりと調えつつ確実に影河凌駕として、積み重ねてきた日々を思うように胸に拳を当てて歌う濱野大輝さんに、ペンライトが振れなくなった。凌駕と眞紘のシンメのオタクとして、思うことがありすぎた。
「So, fly far far far away, from here, with me.」
まさかあんなに切に、語りかけるように言ってくれるなんて。
余談だけど濱野さんのことは主にSideMとSB69、あとツキプロの派生のサンプロ所属ユニットZIXで知っているだけだったんだけど、影河凌駕に出会ってからというもの完全に信頼を寄せて今ダイナゼノンを見てる。
全員がフル尺でソロを歌ってくれると理解した瞬間から大勝利!!と心が沸き立っていたのがチセのPersona。
2番とかみんな好きでしょ????好きじゃん?????
黄色と紫のライティングがされて「し、シンメ…!!!」と思いつつカメラに映し出された駒田航さんに驚く。
いや、色気。
チセちゃんお色気担当だったのぉ!!?!?ロリボイスのお色気担当!?!!??
身体の線をなぞったり婀娜っぽいしなった身体だったりもう色気、色気……ちょっといけないものを見ている気持ちにさせられた。
Personaで一番印象的だったのはダンスのほうかもしれない。配信組だったからということもあるだろうが、わりと引き気味のカメラが多くてダンスの様子がこれまでのソロよりよくわかった。あと常に駒田さんに絡みつくようなダンスだったのもあるかな。
他の人達のダンスももちろん印象には残っているんだけど、誰よりも明確に「チセ」という存在のあり方を表現されたダンスをしていたのはPersonaだったと私は思う。
しょせん人間はたくさんの仮面を使い分けたり重ねて生きている。それに対して、チセなりの優しさで覆い隠しながら人間というものの本質を歌い上げて表現している。あの空間が「チセ」を体現していたと思う。
なんともまあ最後まで魅せる終わり方をしたチセくんに対して、切り替わる色はオレンジ。
陽汰の、太陽がまだ眠ってる時間に。
テニミュを友人から見せてもらっていた時代があるオタクなので、増田俊樹さんのことは結構昔から存じ上げていた。この人は……本当にすごい人だなと思っている。あんスタ、アイナナ、ツキウタ。その他多種コンテンツでお名前を見かけて聞いているが、本当にこの人は華を持ってらっしゃる人だ。しかも、その華をキャラクターにあわせて彩って魅せることを欠かさない素晴らしい人。
とにかくずっとダンスっぽい動きをしてくださっていたのが印象的だった。Step step…のところとか可愛すぎる。おそらくダンスの指示はそんなになかったんだろうなと思っているんだけれど、足取りの軽やかさがとっても陽汰くん。
音域と歌い方を併せて見て、とても難しい曲だなと思っていたので、それでも歌っているさまを見てレコーディング中の陽汰くんを思わずにはいられなかった。
最後にCDよりも力強く、自信を持って「ただいま」って言われて、結構安心してみていたのに最後の最後で泣かされてしまった。
我ながらずっと泣いているなと思うが本当に泣いていたので仕方がない……。
さあ、来るよね。わかってる。
結城眞紘のTycoon。
眞紘くんのこと、一応担当と呼ばせていただいておりまして、7人の中でもいっとう好きであると自覚はしている。
しかしながら、正直侮っていた。だってTycoon難しいもん。なにあの初手から意味分かんないメロディラインの動き。難しいよ。だからどんな状態でも受け入れようと。
本当にごめんなさい。山下誠一郎さんに謝ります。
そして言わせてほしい。
誰があんなに結城眞紘になれと言った!!?!?!!???ありがとうございます。
まず7人のキャストの中で確実にガッツリダンスが入っていたのは山下さんだけで、だから他のキャストに比べれば歌にブレが生じてしまっていたのは事実だ。でもじゃあそれがダメなのかと問われた時、全くそんなことはなかったと断言できる。
結城眞紘という存在を表すのに、あれ以上はありえない。
華が咲いたあとの、それでもなお貪欲に目の前にいる観客の視線すべてをかっさらう気持ちで眼光鋭く笑う存在がそこにいた。
理解度低オタクなりに思っていることとして、The Way I Amシリーズはやはり自分の中身の一部をさらけ出している。自分自身歌を作って歌う人間なので思うんだけど、はじめて歌詞を書くほどにそこに描かれるのは自分だと唾棄したくなる。そんな中でなんとかこの汚らしいものを川ですすいで揉んでみたり汚れている部分をよく見てどうしたら良いか考えて、きれいな箱に仕立て上げる。歌詞を書くってそういう作業だと思っていた。でも眞紘くんが泥に塗れたそこから生み出したものは人間の手……にちかしい、なにかだ。持つ人間の如何によって形を変える土くれといっても良いかもしれない。骨を与えれば人間になるだろう。あるいは握り固められ武器と化すだろう。選択肢を委ねられた中で、眞紘くんは例えばの一つの解としてこの歌で誰かの背を押す手を作り上げた、というのが私の中の認識として一番近いかもしれない。
Tycoonをはじめてきいたとき、これは人間の曲だ、と思った。
それを”結城眞紘”が歌うのか。そう思ったら、Antholicになっていた。他ならぬ背を押された私自身にとって特別な曲としてTycoonは存在していて、しかも素晴らしい形でおだしされたら、………もうだめじゃん。
「この華の魅力」で項にふれる振り付けに死んだ人!はーい!!!
あとラスサビの頭に拳銃突きつけてバーンする振り付けで死んだ人!!はーい!!!
ていうかダンスで死んだし歌の攻撃度上がってるのにも死んだし眞紘くん好きになったの最近の私でさえこうなのに元から眞紘くん推しの人大丈夫なん……?と素直に心配になっている。大丈夫でしたか。なんかもう……大丈夫でしたか?
死んでるうちに曲が終わっちゃった。え?記憶がないです。円盤はどこですか?
ライブは生きているので待っていてなどくれない。八代刹那のMight beでソロシリーズは締めくくられる。堀江瞬さんが入ってくるのを映してはいるものの、まず目にとまるのはダンスだ。明らかにピーター・パンを意識した夜の空を思わせるダンスに爆沸き暴走機関車していた精神がふと空を仰ぐ。「あの瞬いている星、あすこだよ」ピーターパンの無邪気な視線を感じた。
少しだけ離れて堀江瞬さん――もといホリエルの話をさせてほしい。私はSideMではピエールを担当していて(更にはツキプロのバズロで一番好きなのが優馬くんということもあって)ホリエルのことがとても好きだ。しかしライブとなると実際に見ているのはピエールをやっているときしかなく、その時のイメージが先行していたので……知らなかった。いや、知らない。あんなホリエルしらない。私知らない。
堀江瞬さんは、キャラクターの内面をきちんと内包した上で、パブリックイメージとして現れた表層を表現できる人だ。思い知らされた。
ああ、たしかに、これはカリスマ的才能と呼ばれて然るべきかもしれないと思った。
だって、ねえ?2ndseason始まり後から急に入ってきた(言葉は悪いけど)ぽっと出の刹那くん。少ししか登場しない状態で、最新ドラパの終わり方がアレで、好きかどうかなんて正直私にはまだ判別できなかった。ホリエルのことは好きだけれど、刹那くんのことは好きになれるかわからない。
それなのに、あんな歌。
インストも相まって、夜になった会場のどこかに無邪気で残酷なピーターパンを表した。安定感が抜群すぎてこのまま眠れ~って言われたら眠れる。眠れないけど。
好きだと素直に思った。好きです。これからも応援します。

全体曲+キャストトーク

曲がおわる。刹那くんの優しくどこか恐ろしさを感じる「Quiet」で締めくくられる。まあこのままキャストトークかな~なんて思ってました。ホリエル2曲連続はないでしょうと。
そして聞こえてきたインストに思わずひっくり返った。

Flash Point

ホリエル2曲連続だが!?最初に思ったのはそれだった。いや、本当にビビった。やるとは思っていたけれど(7人曲はこれとShine Onしかないし)まさか今とは。
次に驚かされたのはそのハーモニーの美しさ。最初の「おーあーあーあ」の部分、私大好きなんですけど、生でやってあんな美しいハーモニーになる?????一体どれだけ練習すれば可能なの???
コーラス大好きマンなのであまりにも美しいハーモニーに心奪われて記憶がない。とりあえず攻め攻めのAnthos*最高~~~~~!!!ってペンラ振ってた記憶しかない。
明日円盤ください。

キャストトークとダンサーさんの紹介、どっちが最初だったか覚えてない。

ダンサー紹介

ツキプロのステージでよくお見かけする方が多かったので、わ~!!今回もお世話になりました!!!大好きです!!!という気持ちで拍手してた。聞こえないのにね……。

キャストトーク

正直もう記憶が雲散霧消している。私の脳みそもう少し頑張ってくれ。マジで頼む。
とりあえず覚えていたのは、
・全員でリハできたのは前日のみ。数回くらいしかあわせてない。
・山下さんのイヤモニがどっかいってしまって探しているのを、濱野さんが見つけてあげた時に「ごめんリョーさん」って言った。
くらい。マジで記憶がない。
まだ物足りないですよね? もっと聞きたいですよね? で配置替えからの次の曲に入るんだけれど、ひとりだけ動かない増田さんがちょっと恥ずかしい!って場を盛り上げていたのがとっても好き。ムード担当感ある。

心のどこかで、最後にBIRTHを持ってきて、わんちゃんAntholicも歌ってくれたら最高だな~という勝手な想像をしていて、なので「これでBIRTHやって終わりかあ~」と思っていた。
第一音を聞いてすぐに反省することになる。
天霧プロダクションを舐めていた。ごめんなさい。
Juliet。Anthos*の楽曲の中でも最高難易度なんじゃないかと思っても良いレベルの曲だ。というのもあのコーラスは普通にえぐい。コーラスをやってる身の自分でさえこれはやりたくないと思う。やりたくない。
しかもこれまで6人編成だったのに、7人に変更になるとか余計難しい。これに関してはこれまでの曲もすべて同じで、一体どうやってやるわけ?という疑念しかなかった。
それなのに、よりにもよって一番難しいだろうと思われる曲を、歌い始めた。
天霧プロダクション、一生信用する。
公式が知的興奮型コンテンツを名乗るこのコンテンツ、歌っている箇所にももちろん意味があって、7人になることで考察とか、どうなっちゃうんだろうという気持ちが正直あった。あと単純に各人のソロパート減るのかなとか。6人でもう十分すぎるほど完成されている音に、どうやって刹那くんを入れるんだろうとか。
私たちが不安に思うことなんて何もなかった。
天霧プロダクション、一生推す。
Anthos*というユニットの特徴であるコーラスの厚み。それを生かして無理にソロパートを作るのではなく、上からヴェールをかぶせるように刹那くんの歌を載せている!!
天才の所業でしかない。
ここで重要なのが刹那くん――もとい今回の話で言うならホリエルの声質だ。主張しすぎるわけでもない、うまく周りと馴染みながら、個性をしっかりと演出する声のおかげでこれまで以上にまとまりが強固になっている。
個人的大好きパートは眞紘くんソロの「甘えたい繰り返すそんな児戯でも」なのだが、ここに眞紘くんの上ハモで刹那くんを持ってくるという采配!
そんな素晴らしいことをしてもいいのか侍が思わず膝を立てた。

そ し て そ の ま ま 流 れ る よ う に B I R T H 行 っ ち ゃ う の ね ぇ ! ?

あまりにも天才の流れすぎて今これ書いてて思い出したんだけどホリエル結局の所フリト挟んでとはいえ4曲休み無しで歌ってるのやばい。
BIRTHのダンスは4/4に公式が公開したダンス動画を200回以上再生しているオタクなのでフォーメーションとかを思い出しつつ楽しんだ。
やっぱりムービックの、専門分野に忠実にあてさせるところが好き。歌が好きだと余計歌に集中してほしいと思うので明確に分けられていることに感謝した。
正直なところあまり記憶はない。
だって最初の吐息で脳がこわれた。(当方眞紘くん好きAntholic)
吐息CDより圧倒的に強めでめちゃめちゃ楽しそうに出したのを聞いて、テンション爆上がり眞紘~~~~~好きだ~~~~~!!!!!と思っていたことだけは思い出せる。
ダンス動画では結局のところ6人verの音源しか使われていないので、7人はどういうふうに歌うんだろうとワクワクしかなかった。そして、やはり驚かされた。
てっきりライブ歌唱するところじゃないと思っていた部分の全てを刹那くんが担当している。
BIRTHはAnthos*曲の中では最もアイドルらしい曲だと思っていて、全員のメロディラインの動きが一致しがちな傾向にあるんだけど、その中でたったひとり全く違う動きのパートを歌い上げている。
どういうことなの……?などと考えているうちに終わってしまった。
たぶんもう少し覚えていたはずだが、最後の吐息でまた脳が壊れたから仕方がない。(当方眞紘くん好きAntholic)

流石にこのまま終わりかな……ライブ画面が映像に切り替わった……Antholicなかったな……などと思っていた私に、天霧プロダクションは容赦がない。
流れ始めたのは、昨年のHomeMiniLiveの映像だった。
昨年なにも知らないのにAntholicを聞いて泣き散らかした曲オタク、1年の時を経て、真にAntholicになってこの映像と曲を聞き、完全に涙腺が終わった。
よかったねえ、会えたねえ、会えたよ、良かった、大好きだよ。そんな思いで涙と嗚咽しか出てこない。まだ新米なのにとかいう引け目は忘れていた。Antholicは本当にイベントの終わりを告げる曲だ。終わってしまう、この楽しい時間がという気持ちもあっただろう。
キャストが最後に歌って終わらないのは、円滑な規制退場のためなど色々事情はあったと思う。しかし、この華Doll*というコンテンツにおいて、どうしても少し考えてしまうことがあった。
いつかはわからないが、このコンテンツは確実に終わりを迎える。それは謎を散りばめ考えさせるコンテンツの宿命だ。そんななかで、いつか華Doll*が終わって、彼らが私たちの日常から姿を消してしまっても、彼らの歌った歌は変わらずに残り続ける。
そう天霧プロダクションに言われているような気がして、更に泣いた。

思い返してみると昼の部、ほぼ泣いている。
怖いなこのファン……。
すみません新米のくせに……。

 

夜の部は差分くらいしか話していないので余談として置いておきます。

夜の部

正直に言うとすでに昼公演で体力を使い果たしていたため、滅茶苦茶疲れていた。配信なのに。しかし昼公演に比べれば大きな心の余裕があった。心配事はなにもないという安心感に満たされているからだ。期待感しかないライブは楽しみでしょうがない。
また、すでにムービックのアイドルコンテンツをひとつ追っているものとして、セトリ替えはないな!という安心感があった。これはもう次こそは記憶に残すために余裕を持って見られるぞ!もう泣かない!!という盛大なフラグを立てるが、まあ大丈夫だろうと本気で高をくくっていた。
ムービックだから円盤もでるでしょう!(正直アーカイブがない時点で確信してはいたけれど……)
先程みた映像にも涙ぐむことはない。大丈夫。キャストが登壇しても泣かない。大丈夫。むしろ濱野さんが「筋肉担当!」と高らかに宣言した下りからが面白くて、泣くどころかよく笑っていた。昼公演よりも緊張がほぐれたような雰囲気のあるキャストの方々を見て、改めて素晴らしい人達だと思った。Anthos*を演じてくださって本当に感謝しかない。

朗読劇

内容はみんな大好き今日スタ、今回はライブ特別編。チームに分かれて演技対決をすることに。
詳しいことは別記事にまとめるが、印象的だったのはチセの演技派なところと薫の自然体な演技、そして理人の非常に情熱的な笑告白かな。
個人的に、各チームが終わるたびに毎回眞紘くんが「これは有名な映画の~」とか「この間やってた人気のドラマの~」などと映像作品の話を入れてくれるところが気に入っている。本当に映像作品が好きで、よく見ているんだという印象を言葉だけで表現されていて、眞紘くんへの理解が深まった。
関先生のシナリオはキャラがキャラとして動いた物語だからとても良い。これからもずっと好きです。

そして不穏映像。
もうまじでなんなん。これからどうなってまうんという気持ちで、とりあえずいつか葦のみなさんに共有できるようにメモを取った。でもまず周りに華民があまりいないので、活躍する機会はなさそう笑。
映像が終わって、ライブ映像に切り替わる。わかっとるわかっとる。次はS.T.O.Pやろ、心の準備は出来てる。
そんなことを思っていた瞬間もありました。
I know, who I am.
ええ!?!!?!?!?!??そう来たか音頭!!!!!!!!!!!
確かにダンスパートが変更になることはこれまでにもあった、あったけれどまさか華でもするなんて思ってない!!!!!!
などと思っている間にやはり記憶がクラッシュした。

Yeah! Crush it ah!!

違う、そうじゃない。
記憶がない。とりあえず手で「A」って作ってたことしか記憶にない。あとかっこよかった。それ以上の記憶が本当にない。
明日円盤発売されませんか? 深刻な記憶不足です。

ソロシリーズは変わらないからね!安心して聞けるね!!
そう思っていた時期が私にもありました。
昼公演で温まったコンディションであることをすっかり計算から外していた。
Antholicに対してなんだその昼公演を超えていく歌唱は………。
正直なところおそらく音割れかな……?ノイズがよく乗っていたのが気になったところではあったが、もうそんなの一旦どうでもいいから歌が素晴らしかった。円盤がないなんてありえない。
本当に……改めて歌唱力お化けしか存在してないな、ここ……(一周回って冷静になる脳みそ)
それでも昼公演よりはだいぶ安心して聞いていた。
そんなねえ、昼公演と夜公演でまさか歌い方すら変えてくる人まではいないでしょう。
そう思っていた。
………??????
山下さん???
Tycoon????
シャウト………?
[このAntholicはTycoonにて脳が破壊されました]
昼公演よりも段違いに凶暴な結城眞紘を浴び、勝手に華の成長のようなものを感じてしまった私はひっくり返った亀のような気持ちだ。
そんな昂りすぎた交感神経にやってくる音。八代刹那。
刹那くんのソロは副交感神経に効くと思った。
ちょっと落ち着いたところに再び投下される発火点-Flash Point-は昼よりも安定感がすごかったし、心の落ち着きも多少はあったので大好きな凌駕と眞紘のラップパートがきちんと聞けたことに感謝しかない。

キャストトークの記憶が少しだけ残っていた。
増田さんが陽汰くんの曲に対して、陽汰くんの年齢や生い立ちについてきちんと踏まえながら増田さんなりの解釈を話してくれたのが嬉しかった。
また、Personaの駒田さんの解釈を聞いて、私にはその解釈がまだなかったので深く聞き入っていた。
人の解釈を聞くのはオタクみんなだいすきなので、できればみんなの話が聞きたいと思った次第。
じゅりえがわんちゃん曲変更の対象になる可能性を考えていたので、歌唱曲は変わらないのを察知して人間を感じて安心した(???)。でももっともっと聞いてみたい曲はたくさんあるので、次があることを願っていたいなあ。
夜公演BIRTHの陽汰くんから始まるラップパート、陽汰くんがかなり強めにガツンと来たことで流れが生まれて、みんなが結構攻撃的にラップをしていたのが最高。末っ子に煽られて負けてられないAnthos*感があって愛おしくなった。
あと昼公演の時流石に幻覚だと思って頭から消していたのだが、やはりシンメで歌う時に凌駕役の濱野さんが眞紘役の山下さんをものすごく見ていたの、影河凌駕を感じた。
ああ、この人は無意識にこういうふうにやってしまう人かもしれないという隙を感じて影河凌駕のことがより好きになった。
Antholicのこともそこまで泣かずに聞けたのだが、それでもこんなに楽しいイベントは本当に久しぶりだったので、終わってしまう悲しさがあった。
できれば現地に行きたかった。
このご時世だからこそできる配信ライブだったと思う。そのおかげで見られたライブだったと思う。それでも、叶うならばやはり現地に行きたかった。
刹那くんのグッズを買い足した。

終わった後、しばらく呆然としながら、そういえばLoulou*diの発表があったな……と思ったのが20時のこと。
ここから興奮冷めやらぬままにLoulou*diの手のひらの上で転がされることになるが、それはまた別の話。

総評

Anthos*のライブ、とってもとってもとーっても楽しかった!!!
去年のように曲だけ追っていて、Anthosのことをなんにも知らない状態で生きていたあのころの感覚も好きだけれど、彼らを知った上で聞くことで言葉の重みや心情を感じてしまう。それは二次元アイドルコンテンツにおける強みだと思う。同時に弱みでもあるけれど。
私はなにも知らなくてもいい曲だと思える曲が好きで、Anthos*の曲はまさしくそれだった。
ただの曲オタクだったときの感覚を絶対に忘れずにいたい。
同時に、知ってしまった彼らの最後までをきちんと見届けたい。
そう思った。

最後に。
ひとりで狂ってるのは、正直つらいです。

よかったら、華ドル、聞きませんか。

 

はじめに

華Doll*というコンテンツの感想や考察をまとめるために、はじめはnoteを利用しようと思ったのだが、個人的に制約が多いのがすこし気になってこちらに移行することにした。

技術系の記事を書くのにMarkdown書ける場所が好みで使用しているので。

はじめのほうの投稿はnoteからの記事移行。