胡乱な物置

自分のため。感想考察とにかく長文書き散らし

少年マガジンエッジ2021年11月号「華Doll*~Flowering~」感想

はじめに

華Doll*~Flowering~コミカライズ、完結おめでとうございます。そしてお疲れさまです。ありがとうございます。今年4月から本格的に華ドルを好きになったため、実際に本誌を追っていた期間は4ヶ月と短いものでしたが、毎月発売日を今か今かと楽しみに生きておりました。

Anthosメンバーの心に寄り添った、温かい物語をありがとうございました。11月13日に発売する分冊版最終回も、12月13日に発売する書籍版も購入を楽しみにしております。

12月13日、書籍出ますよ!!!!!!嬉しいね!!!!!!!

前回の記事(眞紘回前編)

skmysn.hatenablog.com

私の心構えについて

凌駕回後編末尾にも話したが、後半は必ず物語がうまくまとまるのであまり感想を書くこともないだろうと考えていた。そもそも眞紘の華が咲くことは1st seasonを聞いていればわかることで、今Anthos*に眞紘がいるのがその答えだ。前編感想でも言ったように、眞紘回は実質For…のコミカライズと言っても問題はないので(そうかな?)展開はすでに読めている。

良い結末を迎えるとわかっていて取り乱すようなオタクではない。両手を広げてコミカライズの完結を祝おう。そう思っていた。

(まさかの決済エラーで配信から20分ほど待たされた発狂ぶりはTwitterを参考にしてもらいたい。Kindleくんと私はあまり相性が良くないようだがこれからも使い倒すぞ。)

本誌感想

結城眞紘――ここではあえてフルネームで呼ばせてもらおう――にとっての天霧智紘とは、一体どんな存在だろう。自分という存在を肩書なしに「眞紘」として見てくれた人、唯一の兄、劣等感の象徴、叶えたかった夢。数え上げればきりがないが、誤解を恐れずに言えばこれまでの結城眞紘を作り上げた最も重要なファクタだ。だからこそ、眞紘の夢の中における智紘は、これまでの眞紘自身の化身として現れている。
何かを自分に言い聞かせたいとき、自分にとって一番影響のある人間からの発言が一番身につまされるものだ。自己評価が低い人間ならなおさら、他人に自分の意志を委ねたがる。眞紘にとって無意識下にその役割を担っていたのが、智紘だったに違いない。

眞紘が医療棟に来て、正式な脱退手続きを済ませるという名目で医療棟に拘束されていた期間がどれくらいなのか、私にはわからない。(AnthosのTwitterから読み取ろうとしても開花した時期が判別できる程度だと個人的には考えている。)それでも、彼が「いつまでここにいればいいんだろう」と思う程度、凌駕から受けた頬の傷が癒えて消えてしまう程度――殴られた跡がすっかり癒えたことから考えれば最低でも4日以上――、眠るたびに智紘の夢を見ていたことは確実な事実だ。つまりその間、何度も何度も眞紘は自分を納得させようとし続けている。常に自身を苛み続ける胸の痛みをやり過ごしながら。

この状態は、己の心に目隠しをしていると言っていいかもしれない。己が本当に欲しているものに目を向けないように、必死に心の叫びを無視し続けている。
その本心を現すために、本当の思いを聞くために、メンバーたちはやってきた。

コミカライズという紙面の都合上ある程度のセリフ変更は覚悟していたが、視覚化のコンテンツとしてこの展開は美しくまとまったと思う。個人的には原作のチセが眞紘に抱きつく(抱きついてるよね?)シーンからの開花も好きだが、徹底して丁寧な対比を見せてくれたコミカライズでの終わり方としてこの最終回はかなり好きだ。

第1話では定期試験の合格により仮デビューが決定し、Anthosがアイドルとしてのステージへまた一歩上ることになる。この話の最後では、アイドル衣装に身を包んだ眞紘が階段を登るイメージをした瞬間、智紘の影が現れる。自分の目的を忘れるなと眞紘をたしなめるように。
そしてこの最終回では、眞紘がAnthosを正式に脱退してしまう前に、凌駕を中心としたAnthosのメンバーが迎えに来て手を伸ばし、眞紘は変化して何度もリフレインした智紘の言葉を噛み締めて自分の意志で仲間の方へ手をのばす。そうやって選び取った未来の結果、眞紘は階段を下りきる前に開花を果たす。
眞紘にとって――まあ一般的と言われればそれまでだが――階段はアイドルという舞台へ続く道のメタファーだ。舞台の上に上がるため、下りるためのもの。だからこそ階段の中腹あたりまで眞紘は下りてくるし、凌駕はそんな彼を舞台から下ろさないために階段を上る。今度こそ真っ直ぐに、正面から手をのばす。

Anthosという場所は、寄せ集めの6人で形作られた「手を取り合う」関係でできているのだと思う。互いに手を伸ばして初めて繋がる関係で、そこには凌駕回で言ったように自分の意志が存在する。ひとりひとりの個として、青年たちが存在できる場所だ。
互いの手を取りに行くのではない。すがりつくのでもない。互いをひとりの人間として尊重し、信頼するからこその距離感で手を伸ばし合う。そんな場所だからこそ彼らは自分で立って、自分の意志で歩くことができる。
そういう関係になれたから、そして、Anthosという場所にいたいと言える勇気を持てたからこそ、結城眞紘の華は咲いた。

あまり断定的な言い方をするのは苦手なのだが、これだけは間違いないと自信を持って言える。彼の華が咲くには、これまでの月日がなくてはならなかった。メンバーとの時間を積み重ねてきた末の結実は、咲いた赤い華の言葉が物語っている。

 

esの動向聞いてると祝っていいのか正直わからないけれど、おめでとう眞紘くん。これからもAnthosとして、そしてAnthos*としての結城眞紘くんの活躍をずっと応援しております。

 

おまけ

(本誌ページ数的数え方)605ページの手の作画といい迎えにいく凌駕さんといいなんかもう宗教画じゃないですか?????このページの複製原画販売してくれませんか!!!!?????
コミカライズの開花シーンだと凌駕さんの身体的負荷凄そうだけどそこはさすが筋肉担当ってことかな。これならストレッチャー持ってくるよりお姫様抱っこするほうが早そうじゃない? 公式でお姫様抱っこしてるし……。
開花する瞬間さすがにちょっとえっちだと思ってすみません。

それで……その………………………

INCOMPLICAのコミカライズとかないですか!!!!!?!?!?!?!?!???もっといろんな彼らが見たいんですが続きは!!?!!?!?!!?!???お願いします名尾先生の刹那くんとか亜蝶さんとかルイさんみたいです今の鬨くんもみたいですお願いします続きを、続きを……ほのぼの日常とかでも……だめ……?