胡乱な物置

自分のため。感想考察とにかく長文書き散らし

少年マガジンエッジ2021年8月号「華Doll*~Flowering~」感想

はじめに

華ドルのコミカライズについては楽曲を追っていた当時から知っていたが、「まあ単行本が出たら買うくらいでいいか……」という程度の軽い気持ちで手を出さずにいた。しかし、6月9日から放映されているLoulou*di 2nd Album「INCOMPLICA:I/F~Idéal~」TVCMを視聴した際、Twitterのフォロワーから「クマのぬいぐるみとの関連はコミカライズですでに提示されていた」という情報を得たため、過去分含め電子で全て買い揃えることにした。

youtu.be

これが終わりの始まりである。

とりあえずこれだけは言いたい。

単行本が出てから~って気持ちは痛いほどわかるんだけどもしよかったらマジで本当にコミカライズ読んでくれ。

https://magazine-edge.jp/

誰の読みたいか教えてくれたらどれを買うべきか言うので読んでほしい。
だいたいふらぺちーの1食分の価値はちゃんとある。
(全然食べんから値段ようわからんけど。たしか同じくらいやろ。)

コミカライズの立ち位置について

基本的にはドラマパートの隙間時間を埋めるストーリーとなっている。ドラマCD1stシーズンを全て視聴したファン向けのコミカライズなので、正直あまり新規を取り込むための優しさはないように思う。具体的にはブログ担当の方が公開してくださっているだけではない出演情報のビハインドや、天霧プロダクションにおける彼らの生活についてが主だ。

2ヶ月の連載で1話の区切りが付き、それぞれにお当番が存在する。今のところ順番はおそらく以下の通り。

  1. 理人(たぶん)(メンバーと打ち解けるきっかけの話)
  2. チセ(Juliet撮影時に起きた大事な事件)
  3. 陽汰(今日スタアイドル大運動会での裏話)
  4. 薫(今日スタクリスマスお料理対決での裏話)
  5. 凌駕←Now!
  6. 眞紘(たぶん)

Floweringと銘打った話としては12回連載で完結ではないかと推測される。

一応お当番とは言ったが、全員が次第に成長しているさまや、打ち解け合ったり、逆にギクシャクしていく関係を丁寧に描いているためどの担当の方にも全話おすすめできる。

本誌感想

クリスマスカラーコンビを推している身として、今回が凌駕回になることはほぼ確定だったので死の覚悟はしていた。同じコンビ推しの方々と「墓掘っとこうwww」などと笑いながら、来たるべき蹂躙の時間に備えてはいた。

配信読了直後。

覚悟……? 全然足らんがな……。

クリスマスカラーコンビ推し生きてる……? し、しんでる……!!

時系列としては4巻「Message」後、5巻「For…」の前。Special Package2のTrack1よりも前ではないだろうか?Twitterの発言にあるように、眞紘が眠れなくなり、周りが心配を始める頃の話だ。

4巻ラストのこともあり、凌駕は眞紘にこれまで以上に過保護になっているし、そんな凌駕に対して眞紘は避けるような態度を取っている。これまで8回積み重ねてきた連載の中で、眞紘の笑顔が違う。口角は上がっているし、目尻は下がる、しかしそれが愛想笑いであることは誰の目にも明白だ。自分が"独り"になったことを、自覚している。

覚悟を決めて独りで立つことが正しいと思っていた。

出典:The Way I Am~MAHIRO~アニメイト特典SS「The Way I Am~For…~」より

この「独り」だ。

「独」という漢字を振ったことにあえて意味を与えるとするならば、私はそれを周りに仲間がいるにも関わらず、自ら他を拒絶してしまう独りよがりと捉えた。眞紘が無意識に自らの選択の幅を狭めて意思決定をすすめることで、抜けられない闇に落ちていく。

今月の本誌、コマ割りの中でも眞紘は孤独だ。同じコマにいてやたらと距離が近い凌駕も、いつもの距離とは圧倒的に遠い。明らかに、眞紘は"独り"だった。

理由は明らかだ。眞紘は凌駕にしか弱みを見せていない。金属は腐食した部分に何度も力がかかることで簡単に折れてしまう。この時期の眞紘にとっての凌駕は、まさしくそこだ。凌駕にだけ弱みを見せられたからこそ、これ以上凌駕の側にはいたくない。

対して今回のお当番である凌駕は、眞紘を助けたい。そばにいてやりたい。4巻「Message」の楽曲が重ねて真っ直ぐに示す、そのままに。しかしそれが最も眞紘を――今一番大切な人を傷つけるということも、分かっている。

そもそも凌駕の眞紘に対するスタンスは、智紘に対して一緒にいてやれなかった後悔から来ている。これまで無意識に眞紘に智紘を重ねて行動していたものが、眞紘が天霧の息子である=智紘の弟であるというつながりを知ってから過剰になった。そんな自分が良くないことも自覚していて、うまく距離をつかめない自分に苛立っているのがコミカライズの現在だ。

眞紘に智紘を重ねてはいけない。そう考えれば考えるほどに、凌駕は重ねて見てしまう。次こそは側にいたいと、願ってしまう。これは自身のエゴでしかないと凌駕は思っている。ひとえに、人と深く関わることをしてこなかったからこその弊害だ。それは凌駕ひとりのせいではない。育ってきた環境や、この社会のせいであると分かっているからこそ切々と胸が痛む。

だからこそ、この時系列で解決されるべきわだかまりは凌駕のそれなのだと思った。自分がしっかりとした地面に立っていなければ、人に手を差し伸べることは出来ない。5巻「For…」に向かうには、あの行動に至るには、何よりも凌駕の意識の変化が必要だ。Anthosとしてデビューしたい。そう思わせる何かがなくてはならない。そしてそれは、これまでに開花を重ね問題と向き合ってきたメンバーの力を借りなければ、きっとなし得ない。

来月の後編で、凌駕の意識に何らかの変化がもたらされると良いなという希望を抱きつつ……来月のマガジンエッジ発売日がコロナワクチンの接種日翌日兼同人の〆切と被っているので今からすでに発狂しそうだ。

はあ……生きよ。

 

最後に

小難しいことを並べ立てたが正直なところ凌駕の眞紘に対する過保護ムーブを見られると聞いて全部買って読んで本当に全話過保護ムーブしてて白目むいた。

なん……なんですか? クリスマスカラー推しの人はとりあえず読んでください……お願いします……。