胡乱な物置

自分のため。感想考察とにかく長文書き散らし

少年マガジンエッジ2021年10月号「華Doll*~Flowering~」感想

はじめに

https://magazine-edge.jp/news/hanadoll/

分冊版が発売されました!!(リンク貼りたいけれど総合して出してくれてるところないみたいですね……)

雑誌を買うのはやっぱり厳しい……という方、まだ紙ではないですが分冊版が出ましたよ!!!!!!公開されている4回分を購入してもマガジンエッジ1冊買うより安い!!!この機会に是非読んでいただけますと幸いです!!!!!(なお本誌掲載時からは少し修正が入っているので、そういうの見比ベるのが好きな方はぜひ本誌の方も買っていただけると嬉しいです!)(そういう人はこんなところで宣伝しなくても買ってるか)

また、アプリPalcyから無料で読むこともできます!

palcy.jp

(ちなみに公式がこのアプリを推奨しているのは出版社の都合上かと思われます。PalcyはK談社とPi○ivが共同で開発したK談社女性向け特化のアプリなので……)(やっぱり本でほしい!それまでお金を出すのは厳しい!!という方はここで読んでいただけると嬉しいです)(講D社損切りが早すぎるのがつらいので需要を示したい必死の本オタク)(紙出るとは思ってますが「楽しみにしてたんだよ!」ってダイレクトに伝わるのはやっぱりアクセス数と反応と売上なので…)

とりあえず読んで!!!!!!!!もう読んでる?ありがとう!!!!!!

今回の本は紙で出るとは思っていますが、次回(Loulou*diのコミカライズも見たいです)(INCOMPLICAのコミカライズも……シリーズ終わってからでいいから……)の可能性をつなぐためにもぜひ……

以上失礼しました。

私の心構えについて

マガジンエッジ10月号発売の前日(9/16)は灯堂理人の誕生日である。前回の記事を見ればわかるように、私はPain In My Heartのインストについての感想を書き綴った。しかしその胸中は日付変更が近づくに連れどんどんざわついていく。理人の誕生日を心から祝いたいのに、23時からの1時間はもう何も手につかなかった。当方、Anthosについては箱好きを主張しているもののあえて1人を選ぶなら眞紘の担当と声を上げる人間である。満を持しての担当お当番回、時系列から言えばちょうど5巻にあたるとわかっていて、冷静でいられるほどできていない。

全然モンダイナイヨ……ワタシツヨイカラ……

本誌感想

凌駕回での予測は大外れだったが、それ以上にきつすぎてどうでも良くなってしまった。端的に言ってしまえば、5巻For…冒頭の眞紘が寮を出ていくまでの話だ。ただでさえドラマパートでしんどすぎた展開の裏側を見せられて辛くないオタクはいない。マガジンエッジが発売されてかなりの日が経つが、未だに感情の整理がついていない。ようやく少しだけ言葉をまとめる余裕が出てきたので筆をとっている。

眞紘にとって笑顔は呪いだ。以前からTwitter等で言っていたことではあるし、Floweringを通った人間ならおそらく一度は考えることだと思う。

眞紘は明るくて優しくて素直で努力家で、みんなに好かれるいい子だから。

(華Doll*1st season ~Flowering~5巻 「For... 」Project Archive1-23)

For…の夢の中で提示された智紘の発言が、今のいい子でよく笑う眞紘を作り上げる要因の一つになった。兄の期待に応えたいから。兄に褒めてもらいたいから。いつしかそれは眞紘の役割になり、重圧になり、呪いと化した。例え智紘がいなくなっても。

眞紘の中で智紘の記憶は大切な思い出だが、同時に彼という存在は眞紘にとっての重圧でしかない。上記にあげたドラマパート内で眞紘と夢の中の智紘がする会話は、全て眞紘が思っていた本心だろう。いちばん大切な人だったのに、いちばん眞紘を束縛しているのが智紘だ。眞紘が許しを請うように役割の放棄を願っても、貼り付いた面は肉に取り付いて離れない。

義務はないのかもしれないけれど、頑張りたくなるよ。期待してくれた誰かにがっかりされたくないじゃん。
誰かって誰のこと。(中略)ぼくだったら、誰だかわかんない人のために頑張るより、みんなのために頑張りたいな。

(華Doll*1st season ~Flowering~5巻 「For... 」Project Archive1-22)

智紘はもう、「期待してくれた誰か」でしかない。

眞紘はもういない兄のために頑張っていることを理解していた。とっくに夢なんてなくなっていたのに、彼は智紘に縛られるように生きている。いったいこれが呪いでなくてなんと言えようか。人を思う気持ちは祝にも呪にもなるとはよく言ったものだが、智紘のそれは辛くも後者になってしまった。彼が亡くなってしまった、そればかりに。

そして今、大切なみんなを守りたいがために眞紘はまた独りを選ぶ決断をしようとしている。それは見えない「誰か」の呪いであり、いなくなってしまった「智紘」の呪いからの選択だ。

今の眞紘に必要なものは、呪いを言祝ぎに変える力である。それはこの場合、無条件に与えられていた、智紘という居場所からの脱却だ。そこは大切な場所で、もう失われていて、温かいと同時に苦しい場所だった。

しかし今、眞紘にはAnthosという居場所がある。そこは眞紘を何よりも大切に思って、眞紘が兄と同じくらい大切に思って、彼が自ら選択して掴んだ居場所である。

眞紘がずっと求めてきた、「僕を僕として必要としてくれる人(場所)」だ。

生者は死者に思いを馳せて良いが、囚われてはならない。生者はあくまで生者の世界で生きなければならない。眞紘を連れ戻すために打つ手札を、Anthosのメンバーはもう持っている。

今後どうなるかはFor…で示されているとおりであるため、心配はしていないが、眞紘が諦めてしまったきっかけが丁寧に描かれたことをありがたく思っている。実質5巻のコミカライズといっても差し支えないだろう(言いすぎかな)。次回がとうとう最終回となるが、良い結末となることを願っている。